合格体験談
Round Oneの全て
1. 私自身のバックグラウンド
私は典型的日本企業である総合商社の女性総合職という立場にあり、休職私費でのMBA受験をしていた。そのため、外部でロータリー奨学金を獲得していた。ロータリー奨学金の選考は、MBA受験の勉強を始める前のタイミングで行われるため、この時点で、「推薦状」「エッセイ」「出願書類」という手順を踏んでいたことは、後に非常に大きな意味を持ったと思う。
仕事では、典型的な輸出貿易を行っており、年間60日程度の海外出張をこなし、日常的に英語を読み書き話すため、GMAT®のAWAは5.5を取るなど、特に「英語で文章を書く」こと自体に拒否反応は無かったし、英語で物事を考えることにも慣れていたと言える。但し、私は全く英語圏における帰国子女ではないし、仕事の担当地域も所謂emerging
marketsであったので、英語の発音や西洋的な価値観という点において、何らドメスティック受験生と変わることはなかったと言えると思う。
2. 何故Round Oneを選んだのか
<ポジ>
a. 時間の自由が利く
とにかく仕事が忙しいため、平日の日本時間の範囲で毎週数時間を固定して対面カウンセリングを行うということが物理的に難しいと当初より判断しており、「時間の自由が利く、深夜のアポイントが取れる」ということが選択の最優先基準であった。
b. Strategic Guidanceの価値
エッセイ以外のあらゆることについて、Round Oneでは「Strategic Guidance」というカウンセリング・サービスがある。Round Oneのサービスを受ける最初の段階で定額を払えば、自分が不安に思っていること、悩んでいること、疑問に思っていることなど、いつでも何でも何度でもメールでRound氏に直接聞くことができるのである。これは本当に貴重だ。対面でネイティブカウンセラーに自分の拙い英語で懸命に話してみても時間ばかりが掛かり、結果大金を掛けてしまうことになると思う。その掛かった時間は自己満足にはなるかもしれないが、私はお金の無駄遣いで非効率な時間の使い方だとしか思えない。メールであれば、自分自身で、「何に悩んでいるのか」「何をどうしたいのか」を冷静に考える時間を持つことが出来る。そしてその自分の考えを英語の文章で正確にRound氏に伝えることが出来る。Round氏もその文章を読んで「クライアントが何に悩んでいるのか」「クライアントはどうしたいのか」を理解することができ、的を得たアドバイスが出来る。Round氏はどんな質問に対しても24時間以内に必ず返信をくれる。
<ネガ>
a. 緊急時の対応
出願間際で本当に時間の余裕が全く無い時に限って、問題は発生してしまうものだ。私自身、あわや、という場面を何度も経験した。その場合、時差のあるRound氏とすぐに連絡が取れないのではないか、ということは当初より懸念をしていた。
が、これは杞憂だった。むしろ対面カウンセラーの方が、日本時間の深夜に連絡は取れないはずだ。そして出願締め切りの時間というのは、通常現地時間で設定されているため、現地時間で生活をしているRound氏の方が、最後の最後のギリギリのタイミングまで、連絡を取ることが出来るのだ。私自身は、締め切り一日前の深夜にメールの緊急度を高に設定した上でRound氏にメールを送り、その直後にRound氏のオフィスへ直接国際電話を掛けて、メールの件を電話で話してその場でアドバイスを貰う、ということを何度もした。そうすることによって、むしろ本当にRound氏の「緊急時の対応」を「最大のメリット」として活かしきれたと思う。
b. 日本人の受験情報について
この点は、カナダに居住するRound氏には、正直なところカバーしきれない部分は在るだろうと懸念していた。
が、Round氏は、自らのクライアントを一同に介してスタート・ミーティングを行い、クライアント同士で情報交換をする場を提供してくれた。実際、クライアント同士で、Round Twoという冗談のようなメーリング・リストを作成し、私自身このメーリング・リストには大変お世話になったし、今でもクライアント同士の絆は非常に強いと思う。一方、このクライアントの各々が、それぞれにいくつもの予備校や社費派遣者の情報網を持っていたため、可能な限りそれらの情報を共有していった。また私自身も積極的に学校説明会などでネットワークを広げ、日本人の受験情報については努めて自ら情報を収集した。こうした人的ネットワークで、日本人の受験情報についてはカバーできると私は信じている。が、この点をRound氏にのみ求めるのは、やはりムシの良すぎる話だと思うので、くれぐれもこうした受験情報については一対一のカウンセリングを全ての価値観とせずに、客観的評価軸をいくつも自分自身で持つことが重要だと思う。
3. エッセイとは
a. 先ず自分自身を見つめ、人に説明し、理解して貰うこと
私がRound氏を最も高く評価している点は、まさに彼の「作文の技術」である。彼のこの「作文の技術」を最大限に活かすには、私は何よりも「私自身のことをRound氏に知って貰う」ということが重要だと考えていた。方法はいくつかあり、一つは、日米で注目を集めているような時事問題や社会問題に関しての、自分の考え方を英語で論理的に文章にしてみて、Round氏にぶつけてみるのである。そうすることによってRound氏は、「私の思考回路」と「価値観」を理解することが出来る。もう一つは、可能な限り「私自身の体験」を、Round氏に「追体験」して貰うことである。この「追体験」とはどういうことかというと、体験したその事件の背景、原因、結果という「外側」の説明だけでなく、その事件における「自分の感情の変化」、「自分自身が何を思ってどう行動し、結果的にどう変わったのか」という「内側」の説明をも、英語で正確に文章にしてみて、Round氏にぶつけてみるのである。そうすることによってRound氏は、あらゆるエッセイ課題に対して「私だったらこう考えこう動くだろう」という「私自身」を理解し、何度同じエッセイ課題を白紙から作り上げるとしてもほぼブレなく正確な「私自身」を反映することが出来る。
b. 書くのは自分自身
よくRound氏はエッセイを「書いてくれる」と勘違いしている友人を受験中に見かけたが、そんなにムシの良い話はない。論理的に考えても「私自身」を理解していない人間が、「私のエッセイ」を「書いてくれる」ことなど出来るはずも無い。「書いてくれる」前に、どれだけ正確に、事細かに、Round氏に対して「自分自身を語ってきたか」ということなのだ。「自分自身を語る」には、自らを客観的に見つめ、膨大な量の英文を書き、ネイティブカウンセラーへ意見をぶつけ、議論をする、ということの繰り返しが必要であり、膨大な時間と労力と英語力を要するのは当然だ。更に、全身全霊を掛けて自ら書いたエッセイドラフトに対して、Round氏はあっさり「書き直し」を命じることもある。そこで、「自分の課題の捉え方のどこに問題が在るのか」「自分の感情の変化のどこが分かりにくいのか」と、再び何度も議論を繰り返し、最終的にRound氏と私自身の納得の行く作品を作り上げるのだ。私は一つの課題が終わる度によく「私のことを理解してくれてありがとう」というお礼のメールをRound氏へ送った。エッセイ作成を通して、Round氏に私自身を理解して貰えていると実感することは、本当に、私にとっては涙が出るほど嬉しい経験だったからだ。
4. インタビューレッスン
私はRound Oneにてインタビューレッスンも受けた。当然のことながら、自分自身でもネイティブとの対面でマンツーマン英会話レッスンを続けてはいたが、これはインタビューレッスンとは全く別次元の話で、少しでも自分の考えをよどみなく英語で話すことができるように、という訓練に過ぎなかった。Round
Oneでのインタビューレッスンは、電話でのMok Interviewがメインだが、それ以外にも、質問内容を決めて、それに対する答えだけを練習したり、Rapid Fire Interviewに備えてテンポ良く答える練習など、クライアントの状況に100%合わせて貰える。だが、私がRound
Oneのインタビューレッスンで最も貴重だと感じていたのは、電話インタビュー後のフィードバックだ。このEvaluation sheetは、リアルなアドミッションの視点から多様な定量評価軸が用意されており、数値でシビアに実力を評価されてしまうという点自体も優れていると思ったが、それに加えて、一つ一つの評価軸に「何故その評価をしたのか」「何が足らないか」「どのような受け答えをすべきなのか」という、本当にきめ細かなコメントがA4×4枚ほどに端から端までびっしりと書き尽くされているのだ。このEvaluation
sheetを読むのには、勇気が要る。ものすごく正直にアドミッションの視点で「評価」されているからである。これを受け入れ、何度も何度もコメントを読み返して、自分で練習をするのだ。「話の組み立て方、具体例の出し方、キラークエスチョンの作り方」これらのことは、やはり先ず自分自身で考え、練習をして、Round
Oneでのインタビューレッスンでは「力試し」をするのだ。そして、Evaluation sheetで粉々に砕け散って、もう一度自分で考え直すのだ。更に、Round Oneでは、Mr. Round
/ Ms. Roundという二人のインタビュアーが相手になる。実際のインタビューが女性であろうと男性であろうと、両方に対して事前に練習をしておけることは極めて重要である。
以上が、私の知る限りのRound Oneの全てだ。
現在私は米国の所謂「TOP校」と呼ばれる学校に合格し、渡米の準備を進めているが、私はRound Oneという選択肢は正解であったと思うし、今後もRound氏とは良い関係を継続して行けたら良いと心から思っている。